Home > 器楽作品 > [作品データ]オルドル第2番(2007)10'[ens]

[作品データ]オルドル第2番(2007)10'[ens]

オルドル第2番
テューバ、ユーフォニアムとピアノのために
制作年 2007
TriO+委嘱
作品時間:約12分

TriO+に捧げる

1.微震とクラゲ浮遊 / Onde fine et méduse flottante
2.鳥と木の内緒話 / Chuchottement d'un oiseau et d'un arbre
3.土の中の彼女の小さい犬 バージョン B / Son petit chien dans le sol, version B
4.ソロと鴨 / Solo et canard
5.キツツキ交信 / Dialogue des piverts

■作品解説
「オルドル第2番」はテューバ、ユーフォニアムとピアノというとても珍しい編成のアンサンブル"TriO+"の2007年夏の日本ツアーのために作曲した。

この作品は5つの小曲からなる組曲である。それぞれに音楽的特徴を考慮した動物の名前を含む少し不可思議な曲名がつけられている。バロック期の作曲家フランソワ・クープランのクラブサンのために作曲した<オルドル>と呼ばれる組曲がある。シンプルで装飾的な書法を用い、しばしば内容とはかけ離れた奇妙な曲名がつけられているのだが、私のこの作品は、クープランのユーモアの精神への敬愛の表明でもある。

ここでは私が作曲した電子音響音楽から短い作品を選び出し、この編成のために再作曲した。(ただし第3楽章はピアノソロ作品を編曲した)電子音響音楽には、日常音や電子音、人の声など通常の楽器では表現しにくい音を数多く含まれているが、それらの響きや雰囲気をできるだけ忠実に楽器上で再現するように心掛けた。この作品では、数多くの特別な演奏方法を用いて、できるだけ原曲に似た響きを得るように努めた。このように表現メディアを置き換えることによって異なるバージョンを作り出し、メディア自体を異化することを私は試みている。同じ構造/物語でも、媒体が異なれば印象も変わり、ともすれば全く違う様相を見せることもあるのだ。
檜垣智也(2007年6月26日/奈良県)

Home > 器楽作品 > [作品データ]オルドル第2番(2007)10'[ens]

Search
Feeds

Page Top