檜垣智也 Tomonari HIGAKI(作曲・アクースモニウム演奏)
1974年、山口県宇部市に生まれ。17歳から音楽の制作を始める。その後、吉松波男、七ッ矢博資(大阪芸術大学)、岡坂慶紀(愛知県立芸術大学大学院)に作曲を学び、2002年、作曲家ドゥニ・デュフールに出会う。同年、アクースモニウム演奏をジョナタン・プラジェ氏に師事。翌年、組曲「夜の虹」により、アクースマティック芸術における自らのポジションニングを見つける。2004-2005年CCMIX(イヤニス・クセナキス音楽創造センター/パリ)の奨学金を得て、同センターで研鑽積む。
檜垣智也の仕事は、作曲と演奏から構成される。彼の作品は、器楽作品、電子音響音楽(特にアクースマティック芸術)、器楽と電子音響の混合作品、サウンド・インスタレーションと多岐に渡るが、いずれも、音の<形態/モルフォロジー>のエネルギーの推移を用いて、独自のダイナミスムをつくりあげ、繊細で詩的な作品に仕上げられている。その多くは、内外のコンクールでの入賞・入選を果たし、フェスティバルやコンサート、ラジオ放送、CDを通じて発表された作品は、とても高い評価を受けており、作品の依頼・委嘱も多い。
2002年より国際アクースマティック芸術フェスティバル「FUTURA-フチュラ」(クレ・フランス)、2003年より現代音楽プロダクション「MOTUS-モテュス」(パリ)のアクースモニウムによるサウンド・プロジェクションチームに加わり、アクースマティック音楽の演奏活動にも力を注いでいる。この演奏は、メディアに記録されたあらゆる音と空間に対する積極的で創造的な、身体を伴う音楽の再現行為であり、この演奏ジャンルの確立のために、彼は作曲家との対話を重視しながら、若い作曲家の意欲的な新作から、アクースマティックの古典となりつつある偉大な作品までの演奏に取り組む。活動はMOTUSのアクースモニウムを中心に、FUTURA(クレ・フランス)、CIDMA(パリ)、M&R(ベルギー)、Digital Music Festival(2003/神戸),CCMC(2001-2006/東京・神戸), AAC(2005/大阪), ih plus(2006/大阪)等で行われている。
来年度より九州大学大学院で大学院レベルでは世界で初めてとなるアクースモニウムの理論・演奏法の講議を担当する。現在は同志社女子大学、大阪芸術大学、MOTUS, FUTURAで、後進の指導にあたっている。
檜垣智也のホームページ:http://musicircus.net/